pherim

エマ、愛の罠のpherimのレビュー・感想・評価

エマ、愛の罠(2019年製作の映画)
4.7
チリ発、人知れず火炎放射器で世界を焼くエマが胸に秘める野望。

レゲトンの激しいテンポが全編の基調を生み、南米現代史映すパブロ・ラライン監督過去作『NO』『ネルーダ』の系譜は美学的飛躍を遂げる。翻弄されまくる夫役ガエル・ガルシア・ベルナルの度重なる硬直顔が愛らしい。


夫で振付師役ガエル・ガルシア・ベルナルの教条主義に対し、ある女性ダンサーがエマと口づけする前に語るダンス論が印象的。
「“いい”ダンスって何?わからないの。私は“いいもの”をみると気分が悪くなる。今のほうが楽しい。火照った顔で悪態をつき体を動かすとヤってるみたい。気づくと人に囲まれている。みんな欲情してて、まるで音楽とするセックス。メチャクチャ快感だよ、生きてるって感じ。あんただって昔、誰かが欲情してイッたから生きてる。今は絶頂を踊る時代なの。」

この踊りレゲトンと舞台の街バルパライソをめぐり後日追記予定。
pherim

pherim