よしおスタンダード

マリッジ・ストーリーのよしおスタンダードのネタバレレビュー・内容・結末

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「クレイマー、クレイマー」から40年。新たな「結婚の物語(Marriage Story)」。私は独身で子供もいないが、何だか身につまされる。憎み合い、いがみ合いながらも、ふとしたときに隠しきれないニコール、チャーリー夫婦の優しさ。

そして、その二人の「離婚の物語(Divorce Story)」に翻弄されそうになりながらも必死に両親との距離を測っていくヘンリー君。けなげさに泣ける。

そこへさらに三者三様の弁護士3人(ローラ・ダーン、レイ・リオッタ、アラン・アルダ)が絡んで、もう凄い演技合戦。

ニコールとチャーリーが作中では演劇人なので、映画の中でも意図的に長回しが使われていたり、ワンシーンで膨大なセリフがあったりと、演劇的な演出があって、特筆すべきはやはり二人の壮絶な口喧嘩。もう圧倒的であっけに取られる(笑)。

我々は「マリッジ・ストーリー」という映画を見ていながら、実はその映画の中でチャーリーとニコールによって演じられている「マリッジ・ストーリーという演劇」を見ているような錯覚まで覚える。

しかもそれを「ネットフリックスというVODを通してTVで見ている」という三重構造(人によっては映画館で見た人もいるけど)。

さて本作、オスカーでどこまで食い込んでくるか。脚本賞は本命に近いかも。あとは作品賞、監督賞とスカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライヴァーのノミネートは確実でしょうが、私はそこへローラ・ダーンかアラン・アルダも助演でノミネートされるような気がします。