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マリッジ・ストーリーのmanmkrのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.2
「父親は不完全でもいい。「よき父親」なんて言われ始めてせいぜい30年。それまでの父親は寡黙で頼りなくて自分勝手で、家族は愚痴をこぼしつつ受け入れていた。欠点を愛していたの。ところが、それは母親には当てはまらない。社会的にも宗教的にも許されない。
ユダヤ教やキリスト教の根底には、聖母マリアがいる。彼女は完璧。処女なのに子供を産んだ。揺るがぬ愛で子供を助け死んだ時は遺体を抱いた。父親は不在。タネもまかない。神は天にいる。神は父であり、姿を現さなかった。
女は常に高いレベルを求められる。」

理性やモラルを超えた感情"愛"で結びついた関係を、常識や数値で解きほぐす不条理に向き合って、初めて、神でさえ不完全だったことへの不平等さに気がつく。その不完全性さえ、婚姻関係中は愛おしかったのに。
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