売り出し中の女優だったニコールは、新進気鋭の演出家チャーリーと恋に落ち、キャリアを投げ捨てて結婚、一粒種のヘンリーも生まれ、ニューヨークで舞台役者としてつましく暮らしていたが、ニコールにテレビ番組のオファーがあり、ロスアンゼルスにヘンリーを連れて移住したことから、離婚話が持ち上がる。最初は二人だけで話し合い、穏便に別れようとしたが、お互いに敏腕弁護士を雇ったため、事態は泥試合の様相を呈していく…というお話。
カイロ・レンとブラック・ウィドウの結婚！という形になっているが、21世紀版クレイマーVSクレイマーといった作品である。アダム・ドライバー、スカーレット・ヨハンソンがともに演技派の本領発揮で、特にアダム・ドライバーは、最初、カイロ・レンで登場した時には、スターウォーズ世界に馴染まないぼーっとした二枚目だなといった印象だったが、今やアメリカの若手演技派の筆頭と言ってもいいのではないだろうか。微妙な表情の作り方などうまさが際立っている。終盤で二人が感情を爆発させるシーンは演技派同士の真剣勝負で見事である。どちらもオスカーを手にする可能性十分だと思う。
