HidekiIshimoto

ホモ・サピエンスの涙のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)
4.0
独自スタイルが観る前から浮かんできて観る気を削いでたロイ・アンダーソン新作なかなか良かった。相当良かったかも。原題は『無限について』。まさに無限を妄想中の俺的にハマったのか。スーパー緻密地味が売りみたいな前三部作より更に地味。じゃなくて地味を使ったワビサビ笑いが売りのはずなのに、なんとその笑いを削ぎ落としてる。残ったのは芭蕉みたいなワビサビ感。つまり身辺に透けて見える無限感。邦題は相変わらずワビサビ<笑いって感じだけど、前作の東京国際映画祭での上映時は『実存を省みる枝の上の鳩』と原題ままのイカしたタイトルだったそうだ。どうも邦題に誘導されてた疑惑。笑い部分はすべてトッピングだった疑惑。前三部作観直してみたくなった。けどカネのかかる映画制作でこの削ぎ落としはプロデューサーこそが偉い。故に電通邦画はスカスカ笑いしか残らない。やっぱり独自スタイルが観る気を削いでるもう1人のアンダーソン。独自も大変よな。