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HOKUSAIのyukinoのネタバレレビュー・内容・結末

HOKUSAI(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

話のスジとは全然関係ないけど、歌麿との出会いの場として遊郭の「孔雀の間」が出てくる。
映画のセットとして、襖を中心に大迫力の孔雀が描かれている。

これ個人的にすごい違和感があって、
・遊郭に孔雀?
⇒いわゆる飾り羽があって美しい孔雀は「オス」。女の園である遊郭に孔雀モチーフ?
歌麿の男の色気を表現したとしても、やっぱり違和感。

・当時(江戸時代後期)日本画での孔雀の扱われ方はどうだったのか?
⇒時代はわからないけど仏教絵画で神聖なものとして描かれていたような気がする…
それが遊郭に描かれているのはどうなん?逆に背徳感があってイイの?
それともすでに豪華絢爛の象徴になってた?

・当時遊郭の襖絵には何が描かれていたのか?

などと、北斎とは別の切り口で日本芸術史に興味をもった。

良かったところ…
北斎の奥さん役、瀧本美織さん。こんな女優さんが日本にまだいると知ることができたこと。声が特に素敵と思ったら風立ちぬの菜穂子さんだった。

気になる点…
ラストでなぜ二人に描かせたのか?ダブらせるイメージではなく、分離するような形で。画面上は分離だし作品自体も分離していて共同作品を表しているように見えず、制作者の意図がよくわからなかった。実際の作品にも詳しくないのでさらにわからない。だから調べてみようと思えたのは◎。

あと結局絵で世界は変わった?そこは主題ではないの?

追記 2024/2/3
映画制作者が北斎をテーマに何を表現したいのか、が不明瞭/まとまってない感じがして、
神奈川沖浪裏はモナリザの次に海外でも有名な作品なだけに残念な気持ちが否めない。
井上雄彦さんが表現したらどうなるかな、とふと思った。彼の漫画は世界にも影響を与えていて北斎を理解できる域に十分踏み込んでいると思うので、とても面白いものができるのでは、と密かに期待している。
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