JunichiOoya

バウハウス 原形と神話のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

バウハウス 原形と神話(2009年製作の映画)
4.0
非常に情報量が多く一度ではカバーし切れないボリュームだが、この日は上映後に90分になんなんとする大学教員お二人の「復習」トークショーがあり、大いに助かった。
というか、大学の講義をただで聴講できたようなもので、こんな幸せな目に遭って良いのかしら? と思ったぐらい。

バウハウスの設え全てを無条件に肯定するのではなく、複数の評価を提示してくれて、ちょっとした新書一冊を読み終えた気分。
トークの先生お二人も冷静かつクールな見立てを次々と繰り出していただき大満足。

特に、映画に取り上げられるテルアビブの街並み(バウハウスの「正しい継承」の一例として詳しく触れられる)とイスラエル・ユダヤについての言及、レニ・リーフェンシュタールの立ち位置(頑固に徹底して美の追求者たる自己を正当化)と映画中のインタビュイーとの重ね合わせなどなど、実はお二人の先生、相当にヤバいことも繰り返し発言なさって(何度か「今の日本も…」とも仰っておられた)随分興奮させられた。

東京、京都から流れるバウハウス映画祭大阪場所。トークショーはあと一回伺うつもりなので、実は相当ワクワクしております。
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