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娘は戦場で生まれたのtento64のレビュー・感想・評価

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)
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NHKで短縮版が放送されていたけどせっかくなのでフル尺版を見た。

編集に撮影者以外の人の手も入っているし、編集されて映像作品として出された時点でなんらかの意図は含まれている(特に最後のドローンを使っている映像は意図的に演出されたシーンだと思う)のを考慮しても、かなり心を揺さぶられる映像だった。

元々ジャーナリストとしてアレッポの惨状を伝えるためにカメラを回しているが、ホームビデオ的な映像が交差することで極めて私的な映像作品になっている。原題が「For SAMA(娘の名前)」なので、日本版タイトルとはだいぶ印象が変わってくる。

「この世界の片隅に」と類似性を感じた。フィクションと並べるのもあれかもしれないけど。
いつ砲撃されるかわからないギリギリの状態でも現れるユーモアとか。食べる物にも困る状態でもらった一個の柿で大喜びするところとか。小さな幸せと凄惨な現場とがべったりとくっついている。
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