このレビューはネタバレを含みます
『娘は戦場で生まれた』
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2019年公開のイギリス/シリア
ドキュメンタリー映画
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内戦が激化するシリアで
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無差別爆撃の恐怖に
さらされながら
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戦時下で生まれた娘に
真実を伝えるため
カメラを回し続けた
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自分が生まれ育った
シリアで最大の都市アレッポが
空爆によって
破壊されていく様や
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武器を持たない市民が
見せしめに虐殺され
無惨に放置される死体の山
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医師であり、活動家である夫と
その仲間達が
世界に向けて助けを求め
発信し続ける様子など
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4年間にわたって撮影した
ドキュメンタリー
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シリア内戦とは
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「ジャスミン革命」や
「アラブの春」から続く
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シリア政府軍と
シリアの反体制派及び
それらの同盟組織からなる内戦である
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カメラを回し始めた当初
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学生のデモ活動という
比較的牧歌的な
市民抵抗だったところから
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次第に
シリア軍と反政権派民兵との
衝突に進展し
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混乱に乗じて
過激派の民族争いに発展し
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アメリカ、フランスの多国籍軍
vs
ロシア、イラン
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という
他国による軍事介入に至ったため
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当初の
独裁政権からの民主化運動という
国民の大義は
置き去りにされてしまった上
自国から追い出されるハメになる
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決して許されるコトではないが
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国の威信をかけて
国同士が戦争をするのは
まだ、分かる
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だが、内戦はいただけない
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地球上のどこかで
必ず起こっている内戦は
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諸外国からの思惑が
一気に流れ込んで
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ひたすら
破壊と混乱を生むだけだ
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本作を観ていても
悲惨でしかない状況は
伝わってくるが
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それ以上に
撮影者である母の
気持ちの揺れが
あまりにも痛々しく、辛い
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そして
本来、この映像を
観るべき人々には
決して届かないであろうと思うと
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虚しさしかない
..
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