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娘は戦場で生まれたのKのレビュー・感想・評価

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)
3.5
シリア…アレッポ。アサド政権とロシア軍。民衆蜂起。砲撃による停電。その中で笑い合う人々。画面越しでも地響きの伝わってくるような爆音が生々しい。日常と隣合わせの容赦ない攻撃。年齢性別関係なく犠牲になっていく民衆。血塗られた床。ついさっきまで話していた人が居なくなる。これが戦場。今まさにウクライナで起こっているのもこういう事態なのだろうと痛感させられる。柿。撮影していることに怒るのかと思いきや、撮ってくれと叫ぶ母親の姿に驚かされる。もう駄目だと思った命が吹き返し、生気を取り戻していく様はまさに奇跡的。ロケット暖房。彼らの決断に対してどうこう言うことはできない。土地を守ること、命を懸ける価値。ニュースやSNS動画を通じて多くの人々が現状を知っている。「なのに誰も政権を止めない」。そのために自分たちができることは何なのか。その手がかりがあるなら、併せて教えてほしかったと思う。大勢の人が戦争は良くないと分かっているのに、それを止められない世界が悲しい。
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