たく

娘は戦場で生まれたのたくのレビュー・感想・評価

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)
4.2
すごいものを見せつけられた。
最近シリアのドキュメンタリーをいくつか観たんだけど、精神的に一番来た。

監督のワアドが学生時代の反政府運動からシリアの現状を伝えるために映像を撮りためていく中で、信念を貫く医師の友人と結婚して娘が生まれるという予期せぬ幸せが起こり、それが包囲されたアレッポの現状の悲惨さと対比されていく。
アレッポの包囲期間が長くなるほどロシア軍の爆撃で住民がどんどん追い詰められていくのがリアル過ぎて恐ろしく、死体や怪我人がひっきりなしに画面に登場して凍りつく。

負傷した妊婦から帝王切開で赤ちゃんを取り上げた直後のシーンが衝撃的で、場内からどよめきが起きたのが忘れられない。
ワアドの娘が爆撃音に対して無反応たったり、小さな子どもがクラスター爆弾って言葉を普通に使うところ、父親から家が爆撃される話をおとぎ話みたく聞かされる娘の場面など悲しくなった。

手持ちカメラで思い切りグラグラするシーンが多かったのはキツかったね。
たく

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