安堵霊タラコフスキー

ジャンヌの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ジャンヌ(2019年製作の映画)
3.9
ジャネットの続編に位置する作品ながら、個人的にはこっちの方が好みだった。

ミュージカル的な要素が前面に出たジャネットと違い、こちらの方は歌要素が味付け程度になっていたのだけれど、そのくらい控えめだったからってのもあり神託的なものとして受け入れやすくなっており、逆に良い効果として出ていたのではないかとも思えた。

映像的な面においても、ノートルダム大聖堂の内部を使ったりしてリアルさと美しさを両立させたような画面が多く、前作で感じた以上に15世紀という時代を映画として収めたような内容には好意を覚えた。

これまでドライヤーやブレッソンが描いてきたような厳粛さはあまり感じられない作りだったものの、15世紀らしさで言えばこの作品も中々のものだったのではなかろうか。