からかす

キル・チームのからかすのレビュー・感想・評価

キル・チーム(2019年製作の映画)
4.0
過酷な銃撃戦があるとかではない
比較的小規模な戦争映画であるものの
生み出される緊迫感は相当なもの。
特にアレクサンダー・スカルスガルドの演じる
通称"キルチーム"を率いるデュークス軍曹が恐ろしい。
違法に民間人を殺害する冷酷さ
チームの裏切る人間をリンチする残虐さに加えて
主人公の新兵や仲間に対し厳しくも温かい
まるで父親のような存在でいるのがなお恐ろしい。
そうやって子供に教えるように
兵士に殺人を教えていき、兵士もそれに染まっていく。
脚色はあれど実話ベースというのだから恐ろしい。

正直"戦場の倫理"は私はどう捉えていいかわからない。
私自身は軍隊経験も戦場経験もないので
遠巻きにしか分からない部分があって
いざ現場では仲間が死に、誰が敵か味方かも分からない。
10人守るために1人殺すことは善か悪か。
遠巻きから、または法律的には悪なんだろうけど
現場の力学的にはそれを善ととるかもしれない。
それを重ねていた結果の悲劇が
本作の事件なのかなあとこれまた遠巻きからの感想。
からかす

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