映画マニアかつキモオタのムースは俳優ハンター・ダンバーの熱狂的なファン。ある日、彼のサイン会が近場で開かれることを知り有頂天。映画で着ていた特製ジャケットを奮発して購入し、何を話すか念入りに計画していたのだが、当日ダンバーは家庭の問題でイラついており、能天気なムースは冷たくあしらわれてしまった。一番のファンなのに…やがて彼の熱意が危険に歪む!な話
映画を愛し、映画に愛されてるのでオンライン試写にご招待いただきました。いっつもありがとさん…。さて、あのジョン・トラボルタ66歳がとんでもないビジュアルになって自閉症ぽさもある無邪気さでストーカーとして狂っていきスター俳優を追い詰めていく…というスリラー。リンプ・ビズキットのVoフレッド・ダーストが実体験から監督&脚本をやったそうです。とにかく、この強烈な見た目のトラボルタをキャスティングできた時点で「勝ち確」ですよね。そしてかなりスルスルと自宅を特定したり部屋の中に忍び込めたりするものの、イジリー岡田の寝起きドッキリか?と思わせるような勝手に歯磨きなど、昭和のバラエティ番組みたいな展開はかなり笑ってしまいました。ここは最高!
だけど、「僕はストーカーじゃない!」という叫びが悲しい…。どう見てもストーカー以外の何者でもないんだけど、自分はただ一番のファンでいたいだけなのに!応援し続けてるこの気持ちを伝えたいだけなのに!というファンとしての心理が歪みきって暴走してしまう過程はかなりあるあるで怖いな〜と思いましたね。舞台となるハリウッドについても、ストリートパフォーマーがスリをしたり、大変なことが起きても映画の撮影みたいに思ってしまう人間的な怖さの描写もあって監督の実体験も含まれてるんだろうな〜とも
ただ一点、被害者となるスター俳優はファンがいてこその存在なのに、かなり高圧的にムースに当たってしまったのは自業自得では…?と思ってしまうところはあったかな。いや確かにキモ過ぎるけど、実際にそんなやべ〜奴がいたら波風立たせずに終わらようとすると思うけどな。まあハリウッドに住むとこういう特定厨にわんさか会うから神対応なんかしてる場合じゃないのかな?だからこそ映画として分かりやすい方向にすすんでいくんだけど、火に油を注ぐ結果になってしまったのは言うまでもない…。あと、いくら監督がリンプ・ビズキットだからって、車の中で俳優がリンプの曲をかけて息子に「最高だろ」と言うシーンを入れるのはマジでめちゃくちゃだせ〜…と思ってしまいました。まあそれはさておき、かなりヤバすぎる見た目と性格のトラボルタを堪能出来るので、そこは最高でした。敬具