歩く肉

Einstein & Einstein(英題)の歩く肉のネタバレレビュー・内容・結末

Einstein & Einstein(英題)(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

似たような経験がある訳ではないが、いろいろと既視感ありすぎて他人事には思えず、全く客観的に評価することができない。
とにかく大人の言ってることは絶対で、そこに正誤なんて関係はない。子供は少しずつ感情を殺しながら、迎合しながら、妥協しながら、成長していくのが是とされる、典型的な中国式教育。「いい子」は大人にとっての都合が「いい子」。
以前父親に「親であっても、正しいとは限らないし、気分とかで理不尽に怒ることもある。でも君の倍に生きてきて、今更価値観を変えられるわけがないから、たとえ理不尽に怒られて納得ができなくても、理解してあげるべきだし、歩み寄るべきなのは親ではなく子供だ」と言われたことを思い出した。または、祖母の「親も人間だから、間違えるのは当然で、でも子供はそれをただ黙って聞かなければいけない。」という言葉も。どちらの言い分も否定したい訳ではないけれど、少なくともわたしには未だにこの教育方式が正しいとは思えないし、いつか自分に子供ができるとして、自分の子供に、絶対にこんなことを言いたくないと思った。子供だってちゃんとした個であり、ひとりの人間として尊重されるべきだ。
わたしには、映画と本の存在があって本当によかったと思う。いろんな世界やいろんな正誤の判断と出会えて、そこから、自分が納得できる価値観やものの見方を見つけられたのだから。
歩く肉

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