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私のちいさなお葬式のcーfilmsのレビュー・感想・評価

私のちいさなお葬式(2017年製作の映画)
3.6
子供に迷惑をかけないように自分で終い支度をしておきたい、と思うのは万国共通のよう。私の周りでも、「お葬式代は取ってある」と安堵する人、結婚式の準備をするように斎場の見学に行きさまざまなプランを体験する人、身の回りのものを減らして終活に励む人…などなどいらっしゃる。すでに父も母も見送った私だが、子供としての立場からすると、とっ散らかって迷惑いっぱいかけたまま逝ってくれていいよ、と思う。一方、親でもある自分の立場からすると、子供には迷惑をかけたくないとも思う。自分らしく準備を整えることで安心してこの先、生きていける気もする。そんな折、朝日新聞で写真家の操上和美さん88歳が「死ぬ準備を始めたら、生きる潜在能力をそぐことになりませんか。生きているうちにめいっぱい生きなくちゃ、もったいないと思いますけどね。そんなこと(死ぬ準備)を思ったら止まってしまうし、物事に対して腰が引けてしまう気がする」と語っていたのを読んでズキュンときた。自分らしく生き切る姿を見せることも残された家族にはたいへんなギフトだ。どうする終活?を考えさせられた1本。エリートながら、キーを飲み込んでしまった鯉を車に押し付けて鍵を開けようとしていた息子、いい奴!
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