タチユロ氏

誰がハマーショルドを殺したかのタチユロ氏のレビュー・感想・評価

3.5
もしこれが事実ならば驚くべきことだ。

1961年に不可解な飛行機事故で死んだ当時の国連事務総長ダグ・ハマーショルド。60年近く経った現代に彼の死について再調査していくドキュメンタリー映画だ。

最初はハマーショルドが死んだ墜落事故を調査していたのだが、その実行犯と思しき南アフリカにある謎の組織に行きつき、そこを調べていくうちにハマーショルド暗殺以外にも多くの疑惑が見つかっていく。

60年代第三世界で行われていた国際的な諜報線とその内実は、まるでゲームの『メタルギア ソリッド』や伊藤計劃の小説に出てきそうな話だ。特に後半に出てくるいくつかの診療所で人体実験を行っており、それがどういう目的で発案されたものだったのかと判明したところで「マジか…??」となった。

とはいえ、作り手たちはかなり頑張りはしたものの、裏社会の闇を垣間見ることしかできない。当然記録もほぼ抹消されているので、どこまでが真実で、どこまでが眉唾なのかも判断できない。
あくまで実証はできていないという話です、と留保付きにはなるけれど、明かされていく話はめちゃくちゃ面白い
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