このレビューはネタバレを含みます
なんだろうこの息苦しさは…
TVアニメシリーズから4年、
少しは余裕を持ってアニメを作っているのかと思えば、自社企画中止から業績が傾いてかつてのメンバーも散り散りになった状態からスタート
みゃーもりも辛い現実に蓋をして、仲間内の飲み会も笑顔を無理やり作って乗り込む有様…
憧れのアニメ制作の世界に飛び込んだ主人公が、理想と現実の乖離を乗り越えながら奮闘する「働く女の子」アニメから一転、
日本のアニメ制作現場の世知辛さがとどまるところを知らずに溢れ出てしまったリアリティブラックコメディになってしまった印象…
オリジナルのメインキャラクター達よりも実在の人物をモデルにしたおじさんたちの描写の方が丁寧で、フィクションではカバーしきれない現実の闇の深さが感じられて全くストーリーに乗れませんでした。。
とにかく、メインの5人からアニメ制作以外のありとあらゆる人間の営みが削ぎ落とされているのがしんどい。
他のアニメーターやスタッフはデートしたり、ゲームやら釣りやら自転車やらバッティングセンターやら趣味の時間が描かれるのに、
みゃーもりをはじめ、メインのキャラがことごとくアニメ制作以外何もしていない。
食う寝るアニメ以外何もしていない。
その閉塞感が耐えられなかった。
TVシリーズの時点ではそれでもよかった。
けれどもあれから4年間その状態だと思うと耐えられなくなる。
一体この子達はこれから何になるんだろうか…
途中に出てくる悪夢のようなミュージカルもただただ気持ちが悪い。
死にそうな体にカンフル剤を打って無理やりアニメを作り続けさせているような悍ましさしか受け取れなかったです。
最近、海外のフレッシュなアニメを何本か観てしまったせいもあってか、こういう日本的根性論に対する嫌悪感が大きく出てしまったのかもしれません。
本当にこの映画で描かれているようなしんどい境遇に日本のアニメ制作が置かれているのであれば、日本製の面白いアニメが見れる時間はそう長くは残っていないのではないかと暗澹たる気持ちになりました。
