あにお

劇場版 SHIROBAKOのあにおのレビュー・感想・評価

劇場版 SHIROBAKO(2020年製作の映画)
4.6
なんだかんだン回も観てしまったので書き直し。

基本的にはTVシリーズを観た人向けの同窓会(回)の域を出ないが、=ファンの求めるものだから良しとしよう。キャラクターに馴染みがない人からすると短時間にいろんな人のいろんな出来事が起きすぎてとっ散らかった印象になりそうな反面、分かる人は終始あたたかな気持ちで観られると思う。
ただ、TVシリーズでの“劇中で制作されている架空のアニメ作品が微妙に面白くなさそうなんだけど回を重ねてみんなが頑張って作る姿を見てるうちにだんだん愛着が湧いて好きになる”方式を、そのまんま劇場でやってしまったものだから…。2時間では劇中作に愛着が湧くのに時間が足りず、結果この映画への評価を二分しているように思う。

あと、アルテ、要らなくない?ならぬ、みゃーい、要らなくない?…物語に組み込むには無理があるというか。
新キャラのみゃーい、予告でもキービジュアルでも準主役扱い鳴り物入りの登場、終盤大立ち回りを見せるも、それ以外の部分が…。
きっと、バッサリカットされたタロー渾身の納豆蘊蓄のように、元々もうちょっと物語に絡む描写があったはずが120分の枠に収めるため容赦なくカットされちゃった結果だろうと邪推。163分くらいのディレクターズカット版が出ればまた違うのかもだけど、それでは上映に支障が出るし…。という劇場版製作における苦悩を、作品そのものの出来まで含めて伝えているドキュメンタリー映画である。

作画的には…ふつうの劇場版1本分の比じゃない熱量(たぶん?)すげぇと思う一方、当たり前の部分のアラがやたらと目についてしまった。引きのキャラてきとうに描くにしてもせめてスクリーンサイズに耐えるクオリティは死守しようよ…。箇条書きにしてリテイク依頼したいくらい。

それでもなお評価せざるを得ないのはTVシリーズファン補正じゃなくて風景がほぼ全部実際に見たことある場所だから補正。
あにお

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