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マトリックス レザレクションズのmiumiuのレビュー・感想・評価

4.2
公開初日と翌日の2日連続で鑑賞。
キアヌ・リーヴスのファンだから、なるべく早く観たかった。

過去作品は3作目だけ劇場鑑賞。
とは言えTV放送で3作ともこれでもかと言うほど観ていて記憶に残っているし、復習しなくても大丈夫でしょ! と思って行ってきた。
結果、予想以上に覚えていたし思い出せたなあ。
旧作の映像が随所に使われていることもあり、どの場面と繋がっているのかわかりやすい優しい作り。
一方で、完全なる続編かつ4作目なので、過去3作を知らない人が観たら設定が飲み込めずポカーンとするんだろうな…


1回目の鑑賞では、前半のメタフィクションな展開や後半のやり過ぎアクションに
「マトリックスの世界観をギャグにする気?」
と、いまいち乗り切れなかったんだけど。
設定を分かったうえで観る2回目の鑑賞は泣けたよー……!


キアヌ・リーヴスとキャリー=アン・モスがとにかく素敵。
旧作の映像も使われているけれど、50代の今の方が断然素敵だと私は思う。

そして新キャストや新キャラクターも魅力的!
スミス役のジョナサン・グロフ、出演している『ハミルトン』を最近観てファンになったばかり。
スミスのキメ台詞も上手かったし、今作ならではのスミスのキャラクターにも満足!
ジョナサン・グロフ同様、ブロードウェイの舞台にも立つニール・パトリック・ハリス演じるアナリストも存在感が際立っていた。
あとモーフィアス役のヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世、「『アクアマン』のブラックマンタ役の人」くらいの認識だったけれど、今作ではめちゃめちゃカッコイイ!!
モーフィアスはマトリックス内での衣装チェンジも多くて、どれもスタイリッシュで素敵だったなあ。
ネオを懸命に救おうとする、ジェシカ・ヘンウィック演じるバッグスも魅力的。


※ここからストーリー的なことへの感想を書きます。ネタバレNGの人は観てから読んでください。

SF設定とド派手なアクションはありつつ、本質は愛の話だった。
ネオに心酔する人々がネオを救い、ネオがトリニティーを救うラブストーリー。

これまでのヒーロー映画では、ヒーロー&救世主は世界を救って自身は犠牲になるのが当たり前、特にキリスト教的な宗教観ではそれは当然のことなんだろう。
が、今作ではヒーローがパーソナルな愛を求めて生き続けることが許される。

ネオは、今作では完全にヒロインみたいな立ち位置だったな笑
弾丸を止める力は健在だけれど、自分から相手を傷つけるような攻撃はしないし、新しい仲間や覚醒後のトリニティーにむしろ助けられているという印象。
キアヌがもう50代だから、アクションが完璧でなくても、周りから助けられても、それが自然に見える。
服装のラフさやネオの控えめな人柄も
「キアヌ本人がモデルか?」
と思うくらいで、その辺りも面白かった笑

あと泣けた&テンション上がったのは、フェミニズムを意識したであろう後半の展開。
予告の段階から「今作では普通の主婦」みたいなトリニティーの姿が公開されていたけれど。
「主婦=女性の幸せ」みたいな価値観や、ヒーロー映画で女性キャラクターが無駄死にしがちなパターンをぶっ壊してくれる展開、1回目の鑑賞では「そんなのアリ!?」と爆笑!
そして2回目の鑑賞では号泣した。

今作ならではのユーモア、笑いの要素も、好き嫌いは分かれそうだけど私は好き。

2回目以降の鑑賞ではスタイリッシュな衣装ややり過ぎアクション笑 も心に余裕をもって楽しめる。
気が早いけど、早くBlu-rayリリースしてカットしたであろう映像やメイキングを見せてほしいな。
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