今の時代に映画を作る難しさを感じる作品。
見ている最中、我々アジア人や黒人といった、いわゆる「支流」の人々や、マイノリティ、そして何より女性を中心に置かなければならない世の中に表現の自由があると言えるのか……とか、ずっとそんなことばかり考えてしまった。
覚えてますかね。マトリックスって、もともとSF映画だったんですよ。
おれはこの映画はマトリックスの続編だとは思うけど、SF映画だとは思えない。
この映画は、どっちかというとアナと雪の女王みたいな、「愛」の(それも子供向けの)映画だと思う。
その上、テーマを深くまで追わず、旧作オマージュの画でなんとなく片付けている印象を受ける。
このために引っ張り出されたかつてのキャストやスタッフたちが可哀想だ、というのが正直なところだ。
世界は多様性を謳いながら、いつのまにか「多様性バッチリパック」みたいな均一なパッケージでないと許されない、言い分は違っても構造としてはサウジアラビアの厳格なイスラム教みたいになってきてる。いいのかそれで。