アラシサン弐

地獄の黙示録 ファイナル・カットのアラシサン弐のレビュー・感想・評価

3.5
大量の人と軍事力を投入して途中から目的が分からなくなってしまったベトナム戦争と、
大量の人と制作費を投入して途中から何を作ってるのか分からなくなってしまったこの映画が重なることの皮肉さよ。

戦場そのものの描写は勿論だけど、唐突に慰安ショー始まったり、フランス農場に漂流したり、本当に監督の頭半分おかしくなってるんじゃないかと思うほどカオスな内容。

ベトナム戦争が持つ矛盾や意味の無さみたいなものを、自問する主人公を通してこちらにも訴えかけてるようだった。

前半と後半で狂気の種類が2種類に分かれる。
どちらもキツイ。

前半のサーフィン板ひっつけながらヘリで爆撃とかする光景は異様ではあるけど、戦争の恐怖で頭がやられた人間の、ある種「戦争あるある」的な狂気で、
後半の恐怖を味方につけてしまった人間の本能的な狂気の描写がかなり恐ろしい。

仔犬がかわいい。
アラシサン弐

アラシサン弐