『ようこそ映画音響の世界へ』を観て、俄然観たくなりました
同じ立川シネマシティで観ることができて本当に良かった
とにかく音響がすごくて1979年の作品とは思えぬほどの完成度
オープニングのヘリのプロペラ音からドアーズの"The End"そしてギルゴアの第一騎兵師団〜プレイメイトまで、灼熱の狂気に飲み込まれたまま圧倒される
のどかなベトナムの村の風景が映し出され子供達が先生に引率されてパティオに並んでいた
そこへワルキューレの騎行を大音量で鳴らしながらUH-1ヘリ部隊が攻撃してくる
次の瞬間にはそのパティオが地獄と化し無残な姿を晒すことに
観ながら恐ろしくて涙が出てきた
F-5から放たれるナパーム弾がジャングルを帯状に焼き払うシークエンスでは、確かにガソリンの匂いを嗅いだ気がする
あまりのガソリン臭さに慌ててタオルを出してマスクの上から口元に当て「やめてくれ」と何度も声が出たけど人の少ない極音の劇場では誰にも聞こえなかっただろう
今更キルゴアや指揮官の存在しない前線、カーツ将軍の哲学のことを言う気はない
とにかく戦場の本質とは狂っていることであり、それはベトナム戦争だけではないと今なおこの映画は我々に伝えている
それで充分だ