科学には善悪はありません。
ただ、それを使う人により
善にもなり、悪にも
なるのです…。
円谷特技監督の念願叶う。
和製SFホラーの古典!
「透明人間現わる」
暫く東映作品ばかり続き、私の画面が往年の浅草東映の名画座みたいになったので…この辺りで大映のクラシックSFホラーを。これ特技に円谷英二さんが参加して透明人間のギミックを作ってます。戦前のハリウッド作品のギミックを再現、または発展させている所が正に見所です。
中里博士は黒川、瀬木の二人の助手の研究成果を楽しみにしていた。黒川が取り組んでいた透明薬は既に中里博士も完成していたが、もとに戻る還元薬ができず、止まっていた。それを聞いた後援者河辺は一計を案じる。博士を連れ出し、黒川も後に誘い出した。その後、宝石店に透明人間が現れ、ある宝石を要求する…。
う〜ん…正直言えば…テンポはゆっくりで…ストーリーも誰が透明人間かも分かりやすくて、しかも早めにわかる…。正直レトロさを楽しむ感じです…。意外と登場人物が多いし、尺もこの内容にしては長いかなと…。
ただし…円谷英二の特技、つまり特殊効果撮影だけは本物。そのギミックの冴えは戦後4年しか経っていない邦画の進歩の早さを感じます。勿論、先達としてのハリウッド作品がありましたが、それに勝るとも劣らない、合成技術やカメラワークです。
タバコが空中で静止する喫煙シーンと誰も乗ってないサイドカーが湾岸道路を突っ走るシークエンスが好きです(^^)。サイドカーはシンプルなネタですが、逆にそれが良くて…。透明人間は円谷英二がやりたかった特技だったそうで部に細い技術で、こだわって作られていますね。
ラストも…ヒロインがなんかいなくなった方を直ぐ忘れて…今いる方へすぐアプローチしちゃうので…下衆っぽく見え、かわいそうには違いないんですが…今ではありふれたエンドになってます…。やはり円谷英二の特殊効果が注目ですし、その技術の記念碑的作品だと思います。