そうねだいたいね

温泉旅行記(霧島・黒川・嬉野)のそうねだいたいねのレビュー・感想・評価

3.3
映画における時間という概念をある意味、縦横無尽に操った映画に思えた。それはそう簡単にはできないことだと思う。監督のナレーションと生前の祖母をカメラで収めた映像により、監督の記憶・時間と共に祖母は蘇り、そこに観客の時間が重なる。それはどこか亡くなった往年のスターに会うために過去の作品を観るという映画的な蘇りのようであると同時に、単なる記録ではなく、確かにそこに存在しているという圧倒的な力を感じた。監督の奥さんの何気ないシーンがナレーション以上に監督、奥さん、祖母それぞれの距離感を語っていた。