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君といた108日のodyssのレビュー・感想・評価

君といた108日(2020年製作の映画)
2.5
【宗教映画だった】

予備知識なしで劇場に足を運んだのですが、予想とはかなり違った映画でした。

実在のミュージシャンの体験をもとにしているそうですけれど、これって、宗教映画ですよね。

若い男女が出会って恋に落ちるけれど、しかし・・・という筋書きは、日本映画でもよくあるパターン。
でも、よくあるパターンだからダメということじゃない。

問題はキリスト教に対する信仰が露骨に表現されていること。
主人公の若者はミュージシャンになりたいわけですけど、彼が作った曲にはキリスト教に対する信仰がはっきりと表現されています。
そういう曲もある、というレベルじゃなくて、全部の曲がそうなのです。

一方、彼の恋人になる女性も、アンドロメダ星雲など宇宙や星に興味を持っているのですが、やはり天空の星は神の配慮なのだと思っている。

そういう、キリスト教への信仰の厚い二人が惹かれ合うのですが、しかし・・・という筋書き。

信仰は個人の自由ですし、キリスト教信仰に厚い男女が結ばれてもそれはそれでいいし・・・なんですけど、この映画の欠点は、それを外部から客観的に見据える目がない、ということでしょう。

この二人の物語によって多数の人間が救われたと、最後にテロップで出てきますが、救われりゃいいってもんじゃない。救われなくても、それはそれなりの人生だし、そもそも「救われる」ってどういうことですか?

そういう、根本的な問いを欠いている映画であると言うしかありません。
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