からかす

ザ・レポートのからかすのレビュー・感想・評価

ザ・レポート(2019年製作の映画)
4.0
CIAの調査資料を読みながら過去の調査を行う男の話なので
基本的にもものすごく地味で淡々とした語り口で
別にアクションもなく誇張や大げさな語り口は一切無い。
それでも前半の割と早い段階でCIAの行った非人道的尋問を
強烈に描くことで「これは許してはいけない」という思いを
主人公とともに観てる側にも共有することができる。
また、「淡々と」「実直に」自らの正義と職務に
誠実であり続けた男を演じるアダム・ドライバーがとても良い。
ちょっとゴツいけど優しそうな目をした風貌もとてもマッチしてる。
こう言っちゃなんだけどamazonやNetflixのような
ストリーミング・サービス製作の映画がここまで高品質だと思わず
映画業界さらなる進化の余地ありと感じる一作だった。

惜しむらくは私が知識に乏しいこともあり
かなり情報量の多い本作は観てる間は
脳みそフル回転で疲弊してしまったこと。
その疲弊感も報告書をまとめあげた主人公達の
達成感と通じるものがあるかもしれないが。

想起されるのは米政府による諜報活動を暴露したE・スノーデン。
本作はスノーデンに「ならなかった」男の話であり、
「ならなかった」瞬間にホッと胸をなでおろす。
からかす

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