たく

街の上でのたくのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.3
めちゃくちゃ良かった!
恋愛における男女のエゴという今泉力哉監督の定番要素を軸に、日常のちょっとした気まずいシチュエーションを緊張と緩和の笑いで繋いで行く構成が心地良かった。場内笑いに包まれた暖かい雰囲気で、映画館は音と映像の迫力だけじゃなく笑って泣いての場の一体感も醍醐味だと改めて感じた。

下北沢を舞台に洋服屋や古本屋、自主製作映画の撮影というサブカル要素が嫌味なく出てきて、なんてことない日常の群像劇が運命の悪戯みたく繋がって行くのが上手い。
多くのシーンが固定カメラの長回しで撮られてて、青とイハの恋バナシーンは会話があまりに自然で思わず息を呑んだ。
終盤の修羅場がコントっぽくなっちゃったのと、直後の警官の二度目の登場がしつこくて失速感があったけど終わり良ければ全て良し。

役者さんみんな良くて、若葉竜也の脱力系キャラ、「君が世界のはじまり」で釘付けになった中田青渚の生き生きした魅力と、萩原みのりの地味ながらリアルな距離感がゾクゾクしたね。
笑いの要素は「mellow」のともさかりえ登場シーンを広げた感じだった。
たく

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