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街の上でのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.3
filmarksで☆何個とかスコア付ける意味が無いような(一応付けたけど)。

ここが他の映画と比べて優れてるとか劣ってるとかあまり考えたくないような。

今泉力哉ワールド炸裂、唯一無二の作品だった。

日常生活で起こりうる、会話のズレやばつの悪い状況をすくい取って観客に提示する感覚が絶妙で、劇場は笑いがずっと起こっていた。

日常生活の中でこんな何も起きない(実際は色々起きているが)映画を時間とお金をかけて観る喜びを感じた。

「作品は凄い。街は建物が建て変わり風景も変わるけど、作品はそのまま残り続ける」的なセリフが有り、そういうメッセージを打ち出す映画は多いけど、さらに反転して
「でも街も凄いっすよ。」。

誰にも見られることの無い街の風景、誰の記憶にも残らないかも知れない風景が有る。
演技の練習したのに採用されなかった撮影シーン。
せっかく役作りで太ったけど無意味に終わった俳優。
忘れ去られそうなすべての瞬間が愛しく尊い、そんな作品だった。

女性を可愛く撮るの天才的。
4人とも良かったけど特に、城定イハ役を演じた中田清青さん、大発見。
作品を通して、オフビートな会話の可笑しみが楽しくて仕方ないんだけど、中田清渚さんと若葉竜也さん二人のやり取りは多幸感でいっぱいになる。最高だった。

女性といえば、4人の主要登場人物それぞれのキャラがいかにも着そうな衣装が良かった! 
萩原みのりさんはモノトーンのマニッシュなテイスト、
中田青渚さんは大学生らしいプチプラ服だけどちゃんとトレンドを意識したサイジングやシルエットのアイテム選びしてて、
古川琴音さんは古本屋さん勤務とあって古くて良いものを選ぶセンス抜群で古着ワンピースめちゃ可愛くて。
衣装担当の小宮山芽以さんという方に賛辞を贈りたいです。
古着屋の店内も良かった。レジの前にかかってたRRLのデニムBBキャップ、今被ってたら可愛い。
(あのロン毛が試着してたネコTシャツ!「Cats In Space!」。あれどこで見つけて来たんだ笑)
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