白波

街の上での白波のレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.3
実に楽しみにしてた作品でした。
で、それは皆も同じだったのでしょう。公開初日でもない平日の昼間なのに満席です。
一番の目的は若葉竜也、彼が主演なのですから気になってしょうがない。
「愛がなんだ」では、彼が演ずるナカハラが一番印象に残ってたんですね。だから本当楽しみでした。
物語は下北を舞台にした青春偶像劇。
序盤は若者達の日常をそのまま切り取ったような感じで、緩く静かに流れて行きます。
が、それが実に心地良いんですよ。
僕自身下北は大好きで良く遊びに行ってました。
古着屋巡りにレコードにインディアンジュエリーに雑貨、それと知り合いが呑み屋やっていてちょいちょい朝まで遊んでました。本当色々な思い出があります。
だからかこの舞台が余計心に響くのかもしれません。
それと長回しもフィットしていました。あの感じ良いですね。
下北の雰囲気も中々よく出ていて、マスターがやっていた小さな店とかって本当あんな感じなんですよね。
そんなのんびり日常なのですが、後半は急にテンポ良く走り出し、散りばめられた伏線が気持ちよく収まっていくんです。
終盤の鉢合わせ場面なんてそのピークで、まるで「スナッチ」のような爽快感でしたよ。
本当、何処にでも誰にでもあるような身近な事なのですが、それが観客に寄り添っているようでした。最後の最後まで。
監督の描く街に漂うような、実に心地良い作品でした。
一言で言うと最高です。

ここ最近はさっぱりだったけど、久しぶりに下北を歩きたくなりました。
白波

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