メガネ割れ男

街の上でのメガネ割れ男のネタバレレビュー・内容・結末

街の上で(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

下北沢という街に、特別には思い入れもなければ馴染みもそこまではないなりに(スリー、ここはシェルターにしなかったのね、と思うくらいにはある)、最初やたらいかにもなとこばかり押さえてくるの安易じゃないかとやや不安が過り(あとでわかったけど舞台を指定されて作ったんだからそうなるか)、確かに微妙に面白いけど、特に前半は映画というよりミニコントの合間にぼんやりとストーリー(?)が進むという印象だった。要するにこれはなんなんだと。

しかしそのミニコントの多くは気まずさを軸にしたもので、これがまた随分な実感を与えてくるのでなんやかんや引き込まれてしまい、大サビともいえる謎の修羅場では流石にちょっと声出して笑ってしまった。

それにしても主人公が何者でもなさ過ぎないかという気がして(あの古着屋が自分の店ならすごいけど、勝手にバイトだと思ってるので)、何者かへ向かっていく話かと思ったら、すでにその後の話なのだとちゃんとわかったのが歌い出した瞬間で、多分めちゃくちゃ情熱があるわけでもなく、でも確かにどこか夢見てた人であることを示すのに絶妙なクオリティ。この舞台が下北である意味って何?って思ったけど、なんかそういう具合の若者の話ってことなら納得というか。しかし下北沢って住んでたりするとああいうちょっと村っぽい感じになるの?それは嫌だなと思った。4年住んでる人と一ミリも交流なかったんだからそうでもないのか。

ただ、多分いい人なんだろうけど急にデリカシーのないこととか言っちゃうバカだからどうやらモテないみたいなとこに超シンパシー感じるのに、結果超モテてるのなんなんだ。確かに嫌いじゃないけど謎すぎないか。これ、「モテキ」なのでは?

で、なんやかんやで結局超絶美人とうまくいって、よく考えたら意味不明にそれだけだし、やっぱり結局なんなんだ。でもなぜか悪くはなかった。花束より全然よかった。比較対象ではないかもだが妙に語りたくなる感じはこっちの方がある。
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