コマミー

くもりときどきミートボールのコマミーのレビュー・感想・評価

4.0
【くもりときどき、自分の寂しさ】

※今週(すでに上映している館もあり)公開される、「スパイダーマン・スパイダーバース」ですが、SPAが製作したアニメーションの中で、傑作と言えるのではないのかと、僕は思います。さて、本作で脚本を務めた[フィル・ロード]とSPAのタッグ作である、本作をレビューしたいなと、思います。↓


[フィル・ロード&クリストファー・ミラー]と言えば、思い出すのは、あの[レゴ・ムービー]を思い出す人は少なくはない。あの作品も、もちろん二人の[遊び心の結晶]と言えるほど、観客に"中毒性"を与えるような作品だった。

だが、彼らの伝説はこの作品から始まった…。

それが本作である。誰かしら思うであろう、「~が降ってきたら」という願いを、壮大に、しかも、かなりの[道徳的目線]を加えてアニメーション化した作品だ。

だが、とてもウズウズしたくなる要素がてんこ盛りの作品でもあった。それは、[食べ物の降らせ方]だ。
主人公の[フリント]が開発した[食べ物マシン]で要するに食べ物を精製させて、降らすというやり方だが、そのマシンが暴走して、独りでに空に飛び立ち、そのマシンの[誤作動]で、空から食べ物が降るようになるというやり方だ。

大胆にも程がある…。

人が思う、「~があればいいな」とか、「~だったら」という感情を、ただ表現するのではなく、その[グラフィックをあげて大胆に表す]のが、この作品の魅力であり、二人の作品の魅力なのだ。

そして、この食べ物こそが、フリント自身の[欲望の塊]のような気がした。[寂しさを紛らわす]ように、次々と島の人々の要求を聞き、次々と食べ物を降らすのだ。これが自分には、フリント自身の"寂しさ"のような気がした。
そんな感情の表現の仕方も、二人なりに[映画いっぱいに詰め込む]のだ。


遊び心あり、道徳的観点ありで、しかも見応えあり。

まさに二人は、娯楽作品の立ち位置を変えたのではないかと、感じました…。
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