かつを(@katsuwow)

映画は映画だのかつを(@katsuwow)のレビュー・感想・評価

映画は映画だ(2008年製作の映画)
3.5
スカパー!にて

ジソプとジファンという、ガタイも良くてモムチャン(筋肉最高)な俳優が主役だから、アクションがかっこ悪い訳がない。ジソプ好きなので、それだけでポイント高いです。

能書きは垂れるけど他の俳優とトラブル、女ともトラブルを起こすトラブルメーカーの映画スター・スタと、映画好きで俳優になるのが夢だったヤクザのガンペ。ひょんなことから知り合う。
自分が怪我をさせた俳優の代役にガンペを起用することをスタは提案するが「アクションは本気で」という条件に、ガンペは引き受ける事となるが…

キム・ギドクが原案と製作にクレジットされてるんだけど、あのキム・ギドクだった!

傍若無人で謙虚さのかけらもないスタ。素人だが「本物のヤクザ」で、つかの間だけど「ヤクザの役をしている違う人間」を演じる楽しさを知ったガンペが見せる本気に、危機感を持つ。そこから彼が俳優としての真のプライドを持つようになっていく。

ガンペは会長の信頼の厚いヤクザだったが、映画に出ることで、違う人生への迷いを持ってしまう。そこから彼はヤクザとして負のスパイラルに落ちていってしまう。

最後に二人は「映画」という舞台の中で、それまでの自分に決着をつけるのだが、決着をつけてなお戻る場所は、餅は餅屋でしかない。
多くの人間は夢は夢でしかなく、現実は痛みが伴うものなのだ…だから「映画は映画だ」と割り切って夢を観てるんだよな、なんて事を思った。

韓国映画業界の裏話的なところとヤクザの抗争と二つの話を並行して進めているのだけど、インパクトがあるのはやっぱりガンペの方だったなぁ。スタが巻き起こすトラブルは、未熟さ故のものだから、甘さが目立ってしまって深みが足りなかった。とはいえ、ガンペと会長のトラブルの話もとってつけた感じも否めないのだけども…。

ちょっと笑えるところも、バイオレンスもまぜたいろいろ楽しめる韓国映画定食みたいな作品でした。