ヒロシー

グリーン・ナイトのヒロシーのレビュー・感想・評価

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)
4.0
伝承を基にした物語だけあって、神話的で上品な物語が展開される。しかし主人公はシェイクスピア劇の主人公のような弱々しさを持つ男(デヴ・パテル最高!)で、それが今この映画が作られる意味を持たせている。緑という色をあらゆる方向から鮮やかに見せ、辛い旅路を経て男が失うものと失わずに済むものとは何か。終盤をセリフなしで進める勇気もすごい。バリー・コーガンも相変わらずの役で最高だが、個人的にはジョエル・エドガートンが本当に素晴らしかった。

巧みな作品を作り続ける現代映画界きっての注目株、デヴィッド・ロウリーは、今回も絶好調。過去2作に比べてランタイムのせいか小気味のよさはなくなったが、ショットの流れ、ロングの画の力強さは大きな見どころ。そこに絶品の美術も合わさり、豪華な映画体験となりました。
ヒロシー

ヒロシー