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アフター・ヤンのmのレビュー・感想・評価

アフター・ヤン(2021年製作の映画)
3.0
欧米人の抱く幻想としての東洋趣味を感じてしまったので、監督は韓国系アメリカ人だと知って悪い意味で驚いた。作中世界で「テクノ」や「クローン」を巡る設定や生命倫理観があまりにも定まっていなさすぎた点も受け入れがたかった(テクノは人間が作ったはずなのに、その内部構造を改めて研究しなければわからない状況ってどういうこと?)。作中に「アジア人とは何か」「中国人とは何か」という台詞が出てくるけれど、製作陣はどう考えているのか、この質問をそのまま返してみたい。ヤンの描写からは、欧米圏にいるアジア人を「欧米人に東洋の文化を伝えるためにいる存在」と捉えていると受け止められても仕方がない気がしてしまう。全体的に画面が地味なのにCGだけ派手で浮いていた(綺麗ではあったけれども)。映像の距離感もかなり遠めで、人物の心情に触れられないもどかしさを感じる。挿入歌はMitskiとUAだけど、うわべだけアジアで取り繕っても結局欧米中心なんじゃない?という感じ。
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