あまりにも静謐な映画で
しかも思考の次元が高すぎる。
同じくA24製作の「エクスマキナ」は
思考する人工知能は人間に近づけるのか?
いわゆるチューリングテストを描いた作品だったが
本作にいたってはもはやAIは人間を目指す存在ですらなく
そもそも人間が人間たらしめているものはなんなのか、
AIは?クローンは?生物とは?記憶とは?を問うていて
観ている間はハテナマークがいっぱい。
もっとシンプルに考えれば
原作「Saying Goodbye to Yang」の通り
ヤンというAIがいなくなったことにより
少しだけ成長する家族の物語。
でも作りとしては未来に向かうというよりは
自身のルーツを探る話と感じる。
ヤンが辿ってきた足跡もそうだけど
登場人物の多国籍さもその印象を強くさせる。
でも如何せん私自身が日本人で
海外特有の白人・アフリカ系・アジア系等々の
他民族間での感覚が分からないものだから
正直なかなか飲み込みづらい。
観終わった後にあれはどうだこれはどうだと
色々と思い返そうにも
とにかく作りが淡々としていて抑揚もなく
思い返すためのシーンすら思い出せない始末。
A24製作だからコレ系はある程度覚悟していたのに
この有様なので、覚悟なしだと結構苦しいのでは。