あべきょ

355のあべきょのレビュー・感想・評価

355(2022年製作の映画)
3.7
国際諜報機関モノなのでちょっとシリアスだが、その他の設定はさながら『オーシャンズ8』だった。ジェシカ・チャスティンというと『ゼロ・ダーク・サーティ』『女神の見えざる手』などインテリ職のプロフェショナル役のイメージが強かったので、肉弾戦ゴリゴリの感じは新鮮だった。

ストーリー展開はこれといった深みもなく、アクションをメインで楽しめる作品だが、個人的に気になった点をいくつかまとめておきたい。

・珍しく中国系が好意的に描かれている
CIAが登場するような国際スパイ作品だと、国際政治の関係上、中国系の組織やエージェントは(ロシアと同様に)悪役として描かれることが多いが、本作では頼りになる味方として登場していた。単に加勢するだけでなく思想的なセリフ、ーー例えば「私たちは国や文化は違えど、世界平和を望んでいいる〜」といった発言があったかと思うが、ーーがあるなど、ある程度意図的に中国を好意的に描いている印象を受けた。
(中国政府は登場しないが、エージェントは実際「政府の下で働いている」という発言をしている。)
こういった場合、製作陣に中国資本が入っていたりすることが往々にしてあるのだが、実際のところどうなのだろうか。
(まあそれでなくとも単純に中国市場でのウケを狙ったということなのかもしれないが、、、)

・序盤で味方として登場する、一見凡庸な白人男性が実はめちゃくちゃ敵のパターン
直近視聴した『ハート・オブ・ストーン』同様、本作もこのパターンに当てはまっていた。最近の作品に多いのか、昔からよくあるのかは分からないが、今後もこのパターンに当てはまる作品を意識的に探してみたいと思う。
あべきょ

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