素晴らしかった
ローマ法王の事はニュースでちらっと知るくらいで全然知識がなかった。バチカンのスキャンダルや初めて南米出身の法王が誕生したと言う事はぼんやりと知っていた程度。
まずはベルゴリオ枢機卿がベネディクト16世が滞在している別荘に尋ねるところから始まる。この別荘の庭園での2人の会話が凄かった。段々と熱を帯びて来てぶつかり合い、決して交わらない。最大にぶつかり合ったところでのあの虫の声が。すごい演出だなと思った。ぐっと持っていかれた。
その後徐々に2人の間が変化していくんだけどアルゼンチンの政治的な歴史とベルゴリオ枢機卿のこれまで辿って来た背景も描かれていた。 (若き日のこのシーンも良かった)ベネディクト16世のピアノのシーン良かったですね。
その後の交代劇が描かれるわけだけれどとにかく2人の法王を演じたアンソニー・ホプキンズとジョナサン・プライスの演技が本当に素晴らしい。セリフと顔の表情と。
ベネディクト16世がベルゴリオ枢機卿にスケャンダルの事を告解するシーンは無音として映し出されているけれどここはやっぱりフィクションで描けない部分なのだろうな。そしてその後のベネディクト16世が放った神の沈黙の台詞につい遠藤周作の「沈黙」を思い出してしまいました。
最近忙しかったり読書の方に力を入れていたので久しぶりの映画鑑賞になりましたが久しぶりに見た映画がこの作品で良かった。
ところで気になったのが今のこのウクライナへのロシア侵攻についてローマ法王はどのような事を言われているのだろうと言うこと。ちょっと調べてみようかなと思います。