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2人のローマ教皇のfujiKのレビュー・感想・評価

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)
4.3
ベネディクト16世(ドイツの策士)とベルゴリオ枢機卿(アルゼンチンのラディカル・現教皇)の交代劇を描くコメディドラマ。

神の沈黙を感じる一人とカトリック教会の体制に疑問を持つ一人。二人はお互いに、神に関するのみならず、音楽、サッカー、など様々な対話を重ねる、更には懺悔し合うことによって人間として理解し合い、尊敬し合う関係を作り上げる。
カトリック教会のスキャンダルやアルゼンチンの軍事独裁時代の影など、共に苦悩する二人の会話が、時に辛辣、時に笑いを誘う。脚本も良くできているが、なんと言っても演じる役者二人が上手い❗

ラスト、ワールドカップのドイツvsアルゼンチンの試合を共に楽しむ二人の部屋からカメラが引いていくと、部屋の外で、消えた蝋燭の煙は天に向かって、上へと昇っている。
うまいなぁ☺️

「マリッジ・ストーリー」「二人のローマ教皇」と見て、気づいた。
彼らは実によくしゃべる。台詞が圧倒的に多い。やはり語る力は必要だと思う。政治家だけでなく、普通の人間も、自分の考えを人に伝えるためには言葉が要る。
反面、日本映画は台詞が少ないな。私たちは語ることが苦手なのかも。
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