Maoryu002

ビクター/ビクトリアのMaoryu002のレビュー・感想・評価

ビクター/ビクトリア(1982年製作の映画)
3.5
1930年代のパリで、仕事のない歌手ビクトリア(ジュリー・アンドリュース)はゲイの芸人トディ(ロバート・プレストン)に出会い、女装の男性歌手として売り出すことを勧められ、人気者になる。ある日、ステージを観たギャングのキング(ジェームズ・ガーナー)は彼女に夢中になり、その正体を確かめようとする。

ブレイク・エドワーズ監督によるミュージカルコメディ。

ホモにオカマ、“(性嗜好を)治してあげる” など、現代ではきわどいセリフのオンパレードなんだけど、しっかり多様性とフェニミズムに言及した作品になっている。

自分にはどうやってもジュリー・アンドリュースが男には見えない上に、恋の相手であるジェームズ・ガーナー扮するキングが魅力ない!
ただ、ホテルの2つの部屋をまたいだコントがけっこう面白く、何よりゲイのトディが魅力抜群!「大平原」や「ボー・ジェスト」のロバート・プレストンの演技が素晴らしかった。

彼とジュリーとのデュエットがこの映画の一番の見せ場だ。

マジメに観察すると、男装して初めて解放され、一人前に扱われていると感じたビクトリアと、ゲイに見られることを嫌い恐れるキングという組み合わせに難がある気がするけど、それが恋というものか。

「ピンク・パンサー」や「グレートレース」のドタバタ感を程よく入れつつ、ロマンチックに仕上げたブレイク・エドワーズ監督はさすがだ。
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