ENDO

一寸先は闇のENDOのレビュー・感想・評価

一寸先は闇(1971年製作の映画)
4.0
オープニングのクレジットが終わると死んでいる愛人。この低温なサスペンスこそシャブロル。『マッドメン』のドンよろしく広告代理店の社長を務めるブーケさん。不安で眠れない時には洗面台にあるアヘンチンキに依存。オードランさんは相変わらず、お洒落で素敵だけど、後半は容赦ない!罪悪感で妻と殺した女の夫(親友)に自白するも、忘れて日常を送るよう説得される。そんなことありえるか?
オードランさんは海岸で赤色のニット帽に黒いコートという自分と同じ姿の乳母車を押す女性を目撃する。ミラーリングした虚像の前でなす術なく、憔悴しきったブーケ。空元気のクリスマスでハミング。自首するするムーブやり過ぎて、オードランと手をつなぎ、アヘンのオーバードーズで殺される。そして海と空、義母とペアルック、オードランさんの緑がかった灰色の瞳。あっという間に終幕。

原作となるエドワード・アタイヤのミステリ小説『細い線』(The Thin Line)は、成瀬巳喜男監督『女の中にいる他人』と原作を共にする。見直したい一作。
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