エリス中尉

’96のエリス中尉のレビュー・感想・評価

’96(2018年製作の映画)
5.0
ユーモアを交えつつ、淡くもあり切なくもありもどかしくもありのハイパーメロドラマ。過去と現在を行き来しながら、嘘や記憶違いも盛り込みつつ心情的なゆらぎを見事にロマンティックに描き出す。別れまでの逡巡はデ・シーカ「終着駅」を、なりゆきでついてしまう嘘にはキアロスタミ「トスカーナの贋作」を連想したりと、オマージュや引用ではないところで、自然と映画史に接続されてしまう。っていうのはつまり映画を見る喜びに満ちた映画ってことなんだよ。最高の余韻。
エリス中尉

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