イマジンカイザー

仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティのイマジンカイザーのレビュー・感想・評価

4.0
前作、OverQuartzerが『平成』の極みであり、令和ファースト・ジェネレーションがジオウの作品としては少々消化不良でもやもや気味だったのですが、こちらはテレビシリーズの地続きであり、大勢のレジェンドを抱えつつ、あくまでゲイツの物語としてしっとりとまとめた印象。

産まれから魔王という道がしっかりと在った常盤ソウゴ/仮面ライダージオウと違い、最低最悪の魔王を斃す救世主としての物語しかなかった明光院ゲイツ。ジオウに依ってその運命から解き放たれ、自由になったと言えば聞こえは良いけど、裏を返せば平和な世界じゃ他にすべきことが無かった虚しさ。
終始明るいスクールライフを送っているのだけど、それがそのままその辺の虚無を際立たせているようで見方によっては哀しい。

これまでの十九作総ての作品ライダーが同時に存在しているというジオウならではの設定を活かし、予期せぬところで市井に混ざるレジェンドライダーの皆々様。尺もあって雑に済まされるかと思いきや、それぞれに変身に必殺技披露と見せ場があって好印象。各々の作品の『そのあと』を匂わせる台詞回しにニヤリ。

何故こいつがこのチカラを? とか集まる理由付けはどうするの? って部分、だいぶ雑に済ませるものと覚悟していたのですが、ちゃんとテレビシリーズにあった流れや展開を踏襲して納得できるものに済ませていてびっくり。作り手側も完全に忘れていたとばかり思っていたのに……。

ゲイツとしての物語、レジェンドライダーの活躍、テレビシリーズのその後としてかなり堅実な一本。この後続くかも知れないし、続かなくてもいいような決着が好みです。