このレビューはネタバレを含みます
現代日本について考えさせられた、とか、自分の生き方を問われた、とか、それっぽいありがちな感想で片付けられないと思った。もちろん考えさせられるし問われるんやけども。
お恥ずかしながら政治や社会情勢に疎いので、知った、という言葉が今のところわたしにとってはいちばん合っている。知らなかったことばかりがどんどん出てきてぶつけられた。出会い系で叩かれた官僚が今何をしているのかも、異様な教育方針で世間を賑わせた夫婦の素顔も、どの新聞がどういった方向を向いているのかも。
「考える」ためには「知る」必要があって、そのためにはなにかしらの情報源が必要で、でも一般的な情報源であるテレビ新聞ネットなどなどさまざまなものを疑ってかからなければならないこの現代において、なにをもってすれば知って、考えて、生きることになるのかわからなかった。わからなくなった。
もちろんこの映画は望月さんに寄っていて、だからこの映画で得た印象だけをもとに考えるわけにはいかなくて。でも、少なくとも、今ボランティアをしている前川さんの話や、どら焼き食べなーって言ってた籠池奥さんの笑顔や、庶民派官房長官の敵として知られる記者が自分について書かれた記事を悲しそうに読む姿は、決して嘘とは思えなかった。全員にいろんな姿があって、いろんな考え方が交差していて、それは白黒、味方敵、左翼右翼、リベラル保守派、そういった二元論では語れない世界だった。
支離滅裂な長文。
おすすめです。今年の映画納めにぜひ。