ざきを

きっと、またあえるのざきをのレビュー・感想・評価

きっと、またあえる(2019年製作の映画)
5.0
勝敗や成功にとらわれていると、生きることを忘れてしまう。

大学受験に失敗し失意の底に落ちた息子が自殺を図ってしまう。一命を取り留めるも生きる気力がない息子に何かのきっかけのなれと、父は大学の友人たちに声をかける。集った父たちの昔話を聞いていくうちに、瀕死の息子は次第と元気づけられていく。

人生で1番色濃かった瞬間は?
と聞かれたら…私は間違いなく「高校時代」と答える。
全国優勝を目指して毎日友人と殺気立ちながら努力し続けた日々。楽しいこと、苦しいこと、嬉しいこと。どんな感情も共有し、時にはぶつかり合って、時には泣きあって。あそこで得た友は今でも仲が良いし、あの経験がなければ今こうして育ってこなかったなって強く思う。あいつらがいたからあの時頑張れたし、今もどんなことがあっても頑張れる。

この作品の素晴らしさはそういった苦楽を共にした友人の素晴らしさと、本気の努力による失敗の美しさにあると思う。鑑賞中、高校時代の友人の苦しさと楽しさが何度も蘇ったことか。あのかけがえのない時代を思い起こさせてくれてありがとうございます。と言いたいぐらい懐かしく、温かい作品でした。

アクション映画が人気を博しているインド映画業界だけど、個人的にはこういったヒューマンものの方が好き。「きっとうまくいく」しかり、懐かしいあの頃を感じることができる作品の方が面白い。
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