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ブラック・クリスマスのSPNminacoのレビュー・感想・評価

ブラック・クリスマス(2019年製作の映画)
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『暗闇にベルが鳴る』リブート。電話のベルがSNSのDMとなってるけど、単に現代版じゃない。何故ホラーで女子寮が襲われるのかを追求し、その意図は風刺以上にかなりダイレクトである。ミソジニーの大学教授、レイプ犯を庇う男子フラタニティ、「男はガキだから」と取り合わない警備員、NotAllMenを言い出すBF…女子を狙う殺人容疑者は周辺至る所にいる。大学に凝縮した男性至上主義描写だけで、日常が既にホラーだとグッタリ気持ちが沈んでしまうほど、女性にとっては生々しく現実的だ。
もちろん女性側は闘うシスターフッドが強調され、協力的な(=アウトサイダーな)男子学生もいることはいる。そして襲い来る奴らの正体は、より大きな「呪いの力」なのだとも触れてある。
あまりに律儀に現実の厭な構図が続くので、せめて反撃のカタルシスが欲しくなるのだが、そこは一応用意されていた。私たちは壊れない。あー、でもそこに至るまでエンパワメントされるより観ててしんどかった。
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