Ryo

WAVES/ウェイブスのRyoのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
4.3
痛みは我慢せずに表現する。それが同じ痛みを持つ人を癒すから

監督、テレンスマリック、PTアンダーソンに共通する父親との確執。そんな個人的な事を映画で表現する事で同じ痛みを持つ人を癒す。今作の監督もマグノリアのトムクルーズに感動したそう。

■アメリカに実際に起こったヘロイン中毒問題
主人公が痛み止めとして飲んだオピヨイドは医者から普通に処方される薬です。この薬は中毒性があり嘔吐や精神を病んでしまったりなど主人公はヘロイン中毒になってしまいます。

■左右対称の映画
幸せ→転落→幸せのように前半と後半で折り返し地点を作ったマラソンコースのようになっている。ストーリー以外にも演出や画面構成、色など全てがまた戻っていく。

■画角の意味
ヘロイン中毒や彼女への嫉妬心が酷くなるにつれ画角が狭まっていく。視野が狭くなっていくかのように縦幅が縮まる。
後半妹の話になった際は殺人者の妹という事で肩身が狭い思いをしている。これは画面の横幅を狭くして表現している。

■色彩の意味
ブルーな気持ちの時は青や暴力的な時は赤、色彩の量が減ったり増えたりも注意してみると登場人物の感情がわかる。

■フレアの意味
今作でフレアの意味するものとは師匠であるテレンスマリックの影響である。テレンスマリックは常に太陽やフレアを出現させ神を意味している。どんな辛い状況でも神はそこにいることを表している
また、監督が好きな映画パンチドランクラブでPTアンダーソンが恋愛感情を抱いた時にフレアを使ったと言うがここから取ってるらしい。

■プレイリストムービー
プレイリストムービーとはまず最初にこの映画で使うサントラを作りその曲から発想して脚本を書いていくと言う新しい製作方法
その為登場人物の心情を楽曲が代弁しているシーンが多い
Ryo

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