終始、小池栄子のダミ声が気になってしまった。声量が大きくなるとそんなにダミ声でないので、頑張って声を作っているんだな～と思った。このダミ声は原作通りとレビューに書いている方がいたので、頑張って役作りをしたんだなと腑に落ちた。
それから、やたらと「グッドバイ」という台詞が出て来て、『ヴィヨンの妻 ～桜桃とタンポポ～』を思い出していたら、やはりこの作品は太宰治の遺作『グッド・バイ』を基にした戯曲が原作と知り、なるほどと納得。
という感じに、予告編以外の予備知識なしに観たので、中盤から思い描いていたストーリーと全然違って行ったけれども、それはそれで面白かった。もっと、色々なタイプの愛人を見てみたかった気もするけれど。この作品を観る前に、ちょうどEテレの戦争孤児の特集を観ていたので、小池栄子演じるキヌ子の壮絶な人生を想像しながら観ると、感慨深いものがあった。
濱田岳が変貌して金歯になっていたのが面白かったし、登場人物はみな一癖ある感じ。本妻役の一見大人しそうな木村多江みたいな女性が、実はどんな時代も一番したたかに渡り歩いて行ける気がする。
小池栄子とは、昔、吉田兄弟のライブで会って、握手をしてもらった。テレビで観るより地味な印象だった。敢えて、オーラを消していたのかな？
