南森まち

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEの南森まちのレビュー・感想・評価

3.6
このシリーズは大好きで、欠かさず見ている。しかし本作には不満を感じた。どれも過去作品に劣らないのだが、新しい要素が少なすぎる。
どこかで見たようなカーチェイス、電車の上でバトル、いつもの万能マスクの変装…。

これまでは作品ごとに独自性があった。例えば「オープニングテーマへの入り方」、「今回はとある仲間がいる(いない)」「今回はある仲間の役割がいつもと違う」といった違いを見せていた。
また、「新アイテムによるコメディ要素アリのアクション」が各作品に独自にあり、アイテムによる新鮮なアイデアが、他のアクション作品と一線を画す面白さを生み出していた。シリーズを見ていない人も、「糸で釣り下がってビタッと床ギリギリに降りるアクション」や、「ビルの壁を登れるドラえもんのような道具」などは知っているし、様々な作品でパロディもされた。

ところが本作は、そういう独自の要素がなく、パロディしたくなる印象的なシーンが少ない。どれもどこかでで見たアクションだった。しいて言えばラストのポセイドンアドベンチャー的なアレあたりだが、まぁこれもよくある見せ方だよね…。

ただ、コンピュータウイルスや鍵などの設定は面白かった。大まかなお話は刺激的なスパイものだった。また「PART ONE」と銘打っているが、比較的キリのいいところで終わるので、次作からでも充分に入っていけそうな内容(つまり話が薄いんだけど)なのも悪くはないと思う。

「フツーのアクション映画」としては期待値を超えるものだ。が、私にとっては「ミッション・イン・ポッシブル」としては一番印象に残らない作品になった。