あべきょ

コリーニ事件のあべきょのレビュー・感想・評価

コリーニ事件(2019年製作の映画)
4.0
ドイツ司法の闇に切り込んだ法廷ミステリーの傑作。重いテーマだがミステリー好きなら間違いなく楽しめる。※一部精神的にかなりキツいシーンもあるので注意。

自分がミステリーやサスペンスを好む理由の一つに、ただ真実を知りたいという欲求があるが、そういう意味ではどストライクな作品だった。法廷ものではよくある政治的・ビジネス的な側面からの妥協や取引、脅しなど真実の追求を阻害する要素は全部カスだと思っているが、この作品はちゃんと真実の解明に軸が置かれていて最後には明らかになるので後味も悪くはない。

やはりドイツ社会では○○○に関する話題は未だにセンセーショナルなのだろう。この作品もドイツ国内で大ヒットし、実際の国政にまで影響があったらしい。作中でもその話題になった途端に法廷の空気が一変するシーンがとても印象的。

ずっと黙っていたコリーニに対して弁護人がある核心的な事実の確認をした時、表情すら変えなかったコリーニが感情を露わにして徐ろに煙草に火をつけるシーンがめちゃくちゃエモーショナル。そんなの吸わないと正気でいられないよな、、、
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